オフィスを移転させたいとお考えの方にとって、初期費用への不安は大きいでしょう。「初期費用はどれほど必要なのか」「初期費用の内訳はどうなっているのだろうか」などとお考えの方もいるはずです。
本記事では、賃貸オフィスを借りる際の初期費用について解説します。費用を抑えるコツも紹介しているので、併せて参考にしてください。
賃貸オフィスを借りる際における初期費用の内訳は、主に以下の通りです。
● 敷金(保証金)
● 礼金
● 前家賃
● 火災保険料
● 仲介手数料
● 保証会社への委託料
● 家具家電の購入費
● 設備の導入費
それぞれの概要や費用相場を紹介します。
敷金とは、オフィスを借りる際に預ける保証金のことです。何らかの事情によって賃料を支払えなくなったときやオフィスを傷つけた場合の修理費として、あらかじめ貸主に預けます。大きなトラブルが起こることなく退去となった場合は、支払った分の敷金が全額返金されます。
敷金の費用相場は賃料の6~12カ月分です。しかし敷金は契約するオフィスによって大きく異なるため、契約前によく確認してください。
礼金とは、オフィスを貸してくれた御礼として支払うものです。賃貸契約を結んだことへの感謝の意味が込められているため、敷金のように返還されることはありません。礼金の費用相場は賃料1カ月ほどとされていますが、オフィスの場合は礼金がない物件も増えています。初期費用を抑えたい場合は、礼金の有無を確認しましょう。
前家賃とは、オフィスを契約するときに翌月分の賃料を前払いすることです。賃貸は前払い契約が一般的で、入居時に翌月分までの賃料をまとめて支払うことが多いです。月の途中に入居する場合は入居日から月末までの賃料を日割り計算した分と、翌月分をまとめて契約時に支払います。
前家賃の相場は、賃料1カ月分であることが多いです。しかし、物件によっては数カ月分の費用が必要になる場合があります。
火災保険料とは火災をはじめとする災害や盗難などによって、建物や家財に損害が生じた際に補償を受けられる火災保険への費用です。補償内容などは契約する火災保険によって異なるものの、多くの場合オフィス契約が2年であることから火災保険も2年契約とする傾向にあります。
なお、火災保険は地震や噴火などの自然災害は補償対象外です。地震に関する備えをしたい場合は、地震保険に加入する必要があります。
仲介手数料とは、オフィスの賃貸契約を仲介してくれた不動産会社へ支払う手数料です。賃貸契約が成立した場合にのみ支払う義務が発生するため、不動産会社へ賃貸オフィスについて相談しただけの場合は払う必要がありません。
仲介手数料は規定により、賃料1カ月分が上限です。多くの場合では、賃料の0.5~1カ月分の仲介手数料を支払います。
保証会社への委託料とは、連帯保証人を立てられないときに利用する保証会社への手数料です。一般的にオフィスの賃貸契約を行う際、賃料を滞納してしまった場合に備えて連帯保証人を立てる必要があります。
しかし、会社の設立日から日が浅いといった理由で連帯保証人を付けられない場合は、保証会社がその代わりとなって賃貸契約を結びます。保証会社を利用する際は委託料を支払い、家賃滞納が起こった場合の責任を担ってもらう仕組みです。
委託料は利用する保証会社によって異なるものの、賃料の0.5~1カ月分であることが多いです。連帯保証人を立てられる場合は不要ですが、念のため予算を確保しておくと良いでしょう。
オフィス環境を整えるためには、家具家電を準備しなければいけません。例えば、以下のような家具家電があると仕事がはかどります。
● 照明
● 机
● 椅子
● ロッカー
● 掃除機
● ゴミ箱
● 冷蔵庫
● エアコン
● 扇風機
家具家電の購入費用はオフィスの広さや従業員数、そろえる家具家電の種類などによって異なります。そのため、どういった家具家電が必要なのかを明確にした上で、入居日までにそろえるようにしましょう。
オフィスで仕事をするためには、設備環境を整えなければいけません。業務内容によって必要な設備は異なりますが、一般的には以下のような準備が必要です。
● パソコン
● インターネット環境
● 固定電話
● FAX
設備の導入費用は家具家電の購入費と同様に、オフィスの広さや従業員数などによっても変動します。場合によっては数百万円ほど必要となるケースもあるため、余裕を持って予算を確保しておくと安心です。
1カ月あたりの賃料が20~30万円と仮定した場合の賃貸オフィスにおける初期費用の目安は、以下の通りです。
賃貸オフィスの初期費用は契約内容などによって大きく変動するものの、目安は200~500万円ほどです。また、契約する不動産会社によって仲介手数料も変動します。上記以外に引っ越し業者に依頼する費用もかかるため、予算を確保する際は余裕を持って計算するのがおすすめです。
オフィスの賃貸契約を行う際は、多くの初期費用が発生します。そのため、少しでも費用を抑えたいと考える方もいるでしょう。そのような場合は、以下のポイントを意識してください。
● レンタルオフィスを利用する
● 値下げ交渉をする
● 既存の家具家電や設備を活用する
● 相場が安いエリアで探す
● フリーレント物件を探す
それぞれについて解説します。
初期費用を抑えたい場合は、レンタルオフィスの利用を検討しましょう。レンタルオフィスとは仕事に必要な環境が整っている貸事務所のことです。机や椅子、インターネット環境などがそろっているため、すぐに仕事を始めることが可能です。会社の規模が小さい場合は、レンタルオフィスでも十分な作業環境を整えられるでしょう。
またレンタルオフィスであれば敷金・礼金や火災保険料などが不要となるため、初期費用を大幅に削減できます。ただし、商談スペースなどがパーテーションで区切られているだけなど、簡易的な作りである場合も多く、セキュリティ対策が必須です。個別の専有スペースと商談スペースをうまく活用しながら、業務を進めていくと良いでしょう。
不動産会社に値下げ交渉をするのも、初期費用を抑える一つの方法です。合理的な根拠を提示した上で値下げ交渉を行うと、不動産会社や貸主が応じてくれる可能性があります。例えば貸主が空室を避けたい場合、次の入居者をすぐにでも見つけたいと考えているため、賃料や敷金、礼金の値下げに応じてくれるケースがあります。特に周辺のオフィスよりも初期費用が高い場合は、減額できる可能性が高いでしょう。
他にもクリーニングや消毒などのオプションが不要な場合は、契約内容から外すことで初期費用を抑えられます。ただし、外せるオプションは賃貸オフィスによって異なるため、契約前に確認しておきましょう。
値下げ交渉は難易度が高い上、大幅な減額要求は契約自体が失敗に終わる可能性があるため、慎重に行うことが大切です。
初期費用を抑えたい場合は、既存の家具家電や設備を活用しましょう。オフィスの移転であれば、既存のオフィス家具や設備があるはずです。例えば、パソコンや電話機などは、移転先でも再活用することも可能です。引っ越し先のオフィスでも引き続き活用すると、買い直す必要がなくなるため初期費用を削減できます。
また既存オフィスにない家具家電や設備を新たに導入する場合は、中古やレンタルを活用すると初期費用を抑えやすいです。
初期費用を抑えたい方は、家賃相場の安いエリアで探すのも有効です。敷金や礼金、前家賃は賃料を基準にして決まるため、相場が安いエリアの賃貸オフィスを借りることで初期費用を抑えられます。例えば多くの路線が交わる人気の駅周辺でオフィスを借りるよりも、繁華街から少し離れた駅周辺で賃貸オフィスを借りる方が賃料を安く抑えられる傾向があります。
ただし賃料を重視し過ぎると通勤しにくいといった不便さが生じやすくなるため、後悔しないオフィス選びを心掛けてください。
初期費用を抑えたい場合は、フリーレント物件を探しましょう。フリーレント物件とは、一定期間の賃料が無料になる契約形態のことです。無料になる期間は契約する物件によって異なりますが、多くの場合、1~3カ月分の家賃が無料になります。
フリーレント物件の場合は賃料を下げる必要がないため、貸主にとってもメリットがあり、比較的承諾されやすいです。つまり借主・貸主の双方にメリットがあり、円滑に契約できる可能性が高まります。ただし、フリーレント物件は途中解約すると違約金が発生するため、契約内容をよく確認した上で決定してください。
賃貸オフィスを借りるには、敷金、礼金、火災保険料などの初期費用がかかります。費用は契約内容やオフィスの規模によって幅があり、200~500万円程度が目安となります。したがって、オフィス賃貸契約の際には、余裕を持った予算計画を立てるようにしましょう。
東京・大阪で賃貸オフィスをお探しの方は、「オフィスの総合窓口」をご利用ください。オフィス街の主要なエリアにて、オフィスに特化しており、お客様のご希望に合った物件をご紹介いたします。ぜひお気軽にご連絡ください。