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2025.7.4
不動産豆知識
安藤

貸事務所とは?多様化するオフィス形態との違いから最適な選び方まで

起業や事業拡大に伴い、自社のオフィスを設けたいと考えている方も多いのではないでしょうか。オフィス形態は多種多様ですが、社会的信用度の向上やレイアウトの自由度などを重視するなら貸事務所の利用がおすすめです。


本記事では、貸事務所のメリットやデメリット、他のオフィス形態との違い、選び方を解説します。


「貸事務所」とは何か?


貸事務所とは、企業や個人が業務を行うために賃貸契約を結んで利用する物件のことです。オフィスビルの一室やワンフロアを借りるのが一般的で、事業規模や従業員数に応じて、広さや設備、レイアウトなどを選べます。


レンタルオフィスやシェアオフィスのように、デスクや椅子などの備品はあらかじめ用意されておらず、契約者側で手配する必要があります。


オフィス目的での利用を前提としているため、駅近やビジネス街、繁華街などのアクセスが良好なエリアに立地しているケースが多いです。


貸事務所を利用するメリット


貸事務所を利用する主なメリットは、以下の通りです。


● 取引先からの信頼を得やすくなる

● 理想のオフィス空間を作りやすい

● 将来的な人員増加・事業拡大に対応できる


取引先からの信頼を得やすくなる


貸事務所を利用する大きなメリットは、取引先からの信頼を得やすくなる点です。取引先に自社の住所を伝える際、自宅の住所だと「信頼度の低い小規模な企業なのではないか」と不信感を抱かれてしまう場合があります。


一方、オフィスビルに事務所を構えていれば「拠点を確立させた上でビジネスを行っている企業」と良い印象を持たれやすくなります。企業のイメージが上がれば、取引先とのコミュニケーションも活発化し、ビジネスの信頼構築に役立つでしょう。


理想のオフィス空間を作りやすい


貸事務所の良い点は、自社の環境に合わせて内装を自由に決められることです。貸事務所には家具や家電が備え付けられていません。そのため、必要なものを全てそろえる手間や費用はかかりますが、その分レイアウトや雰囲気などを自由に決められるため、理想のオフィス空間を実現しやすいです。


コーポレートカラーを部分的に取り入れたり、社員がコミュニケーションを取りやすいような配置にしたりと、希望に合わせて内装を変更できます。ただし、内装工事を行う際は、貸主の承諾や原状回復義務が発生する点にも注意が必要です。


<h3>将来的な人員増加・事業拡大に対応できる</h3>


人員追加や事業拡大に柔軟に対応しやすい点も、貸事務所の魅力です。レンタルオフィスやシェアオフィスの場合、他の企業や個人とスペースを共有しているため、使用できる範囲やレイアウトの変更に制限があります。


一方、貸事務所は比較的広いスペースを確保できるため、将来的に社員が増えた場合でもワークスペースを拡張しやすいのが特徴です。


今後事業拡大をする予定がある企業や、10名以上でスタートアップを予定している企業は、柔軟に運用できる貸事務所のメリットを感じられるでしょう。


貸事務所を利用するデメリット・注意点


ここまで述べたように、貸事務所には、社会的信用度が上がる、事業規模や人数に合わせてレイアウトを変更できるといった多くのメリットがあります。


一方で、以下のデメリットも事前に把握しておく必要があります。


● 初期費用がかかる

● 事務所を利用できるまでに時間がかかる


初期費用がかかる


貸事務所を利用する際は、毎月の賃料とは別に、まとまった初期費用が必要です。


主な初期費用には以下の5つが挙げられます。


● 敷金(保証金)

● 礼金

● 前家賃

● 仲介手数料

● 火災保険料


初期費用の合計金額の目安は、毎月の賃料の約6~12カ月分です。例えば、毎月の賃料が30万円の物件の場合、初期費用は約180万~360万円が目安となります。


上記の項目に加えて、事務所内で使用する家具や家電、設備などにかかる費用も自社で用意しなければなりません。そのため、資金力が少ないと経済的な負担が大きくなる可能性があります。


初期費用は契約する物件や仲介会社によって異なります。信頼できる仲介会社に相談し、総額がいくらかかるのか見積もってもらいましょう。


事務所を利用できるまでに時間がかかる


貸事務所は、契約から利用開始までに時間がかかる点にも注意が必要です。物件の内見や契約手続きに加え、必要な家具・家電・オフィス機器の調達、内装工事などやるべきことが多くあります。こうした一連の工程が全て完了するまでには、約1カ月かかるのが目安です。


契約後すぐに利用できるわけではないため、移転時期や開業日に合わせて、余裕を持ってスケジュールを組んでおきましょう。


【比較】他のオフィス形態との違い


貸事務所以外にもさまざまなオフィス形態があります。ここでは、以下の4つのオフィス形態と貸事務所との違いを解説します。


● レンタルオフィス

● コワーキングスペース

● バーチャルオフィス

● SOHO(住居兼事務所)


貸事務所 vs. レンタルオフィス(サービスオフィス)


貸事務所とレンタルオフィス(サービスオフィス)は、契約形態や準備の手間、レイアウトの自由度などが異なります。


貸事務所は不動産賃貸契約を結んで物件を借り、毎月の賃料を支払って利用します。一方、レンタルオフィスは賃貸契約を結ばず、提供されるサービスに対して利用料を支払う形態です。


その他の違いは以下の通りです。

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初期コストや準備の手間を抑えつつ、まずは小規模に事業をスタートしたい場合は、レンタルオフィスが適しています。一方、時間とコストをかけてでも自社仕様のオフィスを構えたい場合は、貸事務所がおすすめです。


貸事務所 vs. コワーキングスペース


貸事務所とコワーキングスペースの主な違いは、オフィスを共有して使用するかどうかです。


貸事務所は、その空間を自社専用スペースとして使用できます。一方、コワーキングスペースは、さまざまな業種・立場の人が空間をシェアして使う施設です。レンタルオフィスと同様、月額や時間単位の利用料を支払って利用します。


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交流会や親睦会ならコワーキングスペースが適していますが、社員を雇ってビジネスを始めるなら、自社空間の確保が可能な貸事務所を選んだ方が良いでしょう。


貸事務所 vs. バーチャルオフィス


バーチャルオフィスとは、実際の作業スペースを持たず、法人登記や名刺に記載するための住所・電話番号のみを提供するオフィス形態です。物理的なオフィスは存在しないため、自宅やカフェなどの好きな場所で業務を進めます。


バーチャルオフィスのメリットは、初期費用を抑えられる点です。郵便物の受け取り代行や電話対応などのサービスが付帯することもあります。しかし、対面での打ち合わせや来客対応には向いていません。


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「コスト重視で、実働は在宅・オンライン」というスタイルにはバーチャルオフィスが適しています。一方、実際に人を雇ったり来客が多かったりする場合は、取引先からの信用度を上げるためにも、貸事務所を選ぶことをおすすめします。


貸事務所 vs. SOHO(住居兼事務所)


SOHO(Small Office Home Office)とは、自宅の一部を仕事場として活用するオフィス形態で、いわゆる住居兼事務所を指します。主にIT関係の個人事業主やフリーランスなど、来客対応が少なく自宅で業務が完結する業種に選ばれる形態です。


SOHOは住居契約となるため、貸事務所に比べて初期費用や月額コストを抑えられる点がメリットです。しかし、物件によっては法人登記や事務所用途での使用に制限があります。また自宅の一角を作業スペースにするため生活空間との区切りが曖昧になったり、複数人で利用しづらかったりするデメリットがあります。


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社員を雇って本格的に事業を拡大するのであれば、広いスペースを借りられる貸事務所が向いているでしょう。


失敗しない貸事務所選びのポイント


貸事務所選びを成功させるには、以下のポイントを意識して物件を選びましょう。


● 優先順位を決めてから探す

● 事務所の管理体制を確認する

● 信頼できる仲介会社に貸事務所を紹介してもらう


優先順位を決めてから探す


貸事務所を選ぶ際の基準には、賃料や立地、広さなどさまざまありますが、全ての条件が満たされる物件を見つけるのは難しいのが現実です。そのため、貸事務所を探す際は、何を重視するのかを事前に整理し、優先順位を決めておきましょう。検討すべき主な項目には、以下のようなものがあります。


● 賃料

● 立地

● 周辺環境

● 広さ

● レイアウトの自由度

● ビルの設備


訪問客が多いなら立地やアクセスの簡単さ、コストを抑えるなら賃料の安さを重視するなど、自社の業務内容や経営方針に合わせて優先順位を決めましょう。


事務所の管理体制を確認する


物件の内見時は、事務所の広さや雰囲気だけでなく、ビル全体の管理体制も確認しましょう。エレベーターやエントランス、駐車場などが清潔に保たれていると、社員の満足度が上がるだけでなく、取引先からの第一印象も良くなり、信頼感の向上につながります。


管理が行き届いていない物件では、日常業務に支障をきたす場合があります。例えば、トイレや洗面所の清掃が不十分だと、社員の健康に悪影響を及ぼす可能性がある他、不満やストレスの原因にもなりかねません。


賃料や広さなどの条件も大切ですが、快適な職場環境を築くためにも管理体制を忘れずに確認しましょう。


信頼できる仲介会社に貸事務所を紹介してもらう


貸事務所を探す際は、信頼できる仲介会社に相談しましょう。自社のビジネスや目的に合った物件を見つけるには、物件情報や業界知識に精通した担当者に相談することが大切です。


物件情報の豊富さはもちろん、これまでの契約件数や取引実績も判断材料となります。また、アフターフォローが整っている会社であれば、契約後のトラブル対応やレイアウトに関する相談がしやすく、事務所を円滑に運用できます。


【まとめ】

貸事務所探しをスムーズに進めるならプロに相談しよう


貸事務所を利用することで、取引先からの信用度が上がったり、自社に合った内装やレイアウトで業務効率を高めたりと多くのメリットが得られます。


納得のいく物件を見つけるには、賃料や立地、広さなどの条件に優先順位を付けた上で、比較・検討を進めなければなりません。物件情報の収集や比較には時間と手間がかかるため、貸事務所に詳しい仲介会社のサポートを受けるのがおすすめです。信頼できる仲介会社と相談しながら、自社の成長につながる最適な事務所を見つけましょう。


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