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2024.10.4
不動産豆知識
安藤

オフィス移転のスケジュールはどう立てる? 必要な期間や流れのポイントを紹介

オフィスの移転は大規模なプロジェクトのため、スケジュールの組み方に悩む担当者もいるでしょう。移転日から逆算し、各種手続きの期限を気にかけながら進める必要があります。本記事では、オフィス移転のスケジュールや流れを詳しく解説します。

 

オフィス移転のスケジュールはオフィスの規模にもよりますが、おおよそ6カ月前から計画を立てていくのが一般的です。移転日から逆算して考えれば、より細かいスケジュールが立てやすくなります。

 

本記事では、オフィス移転の一般的なスケジュールと流れ、スケジュールを立てるときに気を付けたいポイントを解説します。

 

オフィス移転にかかる期間の目安

 

オフィス移転に要する期間は、およそ6カ月が一般的とされています。ただしオフィスの規模によっても前後するため、あくまで目安と考えておきましょう。大規模なオフィスの場合は移転に関する作業が膨大で、2年程度前から計画を進める方が良いケースもあります。一方で小規模なオフィスなら、準備期間は半年より短く済むかもしれません。

 

スケジュールを立てる際は、退去日より逆算して考え、自社の規模感ではどのくらいの期間がかかるのか試算すると、移転のスケジュールが組みやすくなるでしょう。

 

オフィス移転のスケジュール・流れ

 

一般的な中~小規模のオフィス移転を例に挙げ、具体的なスケジュールを紹介します。6カ月以上前から順に、移転の流れをチェックしていきましょう。

 

【オフィス移転6カ月以上前】

 

移転6カ月以上前にやるべきことは、以下の通りです。

 

● 移転計画の立案

● 移転目的の明確化

 

オフィス移転の案が浮上するタイミングはさまざまですが、移転の6カ月前までには計画を立てましょう。移転計画を立てる上で大切なことは、なぜ移転する必要があるのかという目的・理由の明確化です。目的を明らかにせずスタートしてしまうと、具体的な計画を練っていく中で、オフィス移転の方向性のブレが生じてしまいかねません。移転の目的例としては、従業員増加によるオフィスの快適性向上や、導線改善による社員間のコミュニケーション活性化などです。目的を明らかにすると、内装やレイアウトも決めやすいでしょう。

 

【オフィス移転6カ月前】

 

移転6カ月前にやるべきことは、以下の通りです。

 

● プロジェクトチームの立ち上げ

● 予算とスケジュールの策定

● 新オフィスの選定

● 旧オフィスの解約予約

● オフィス移転の業者探し

 

移転目的が明らかになったらプロジェクトチームを発足します。意見に偏りが出ないよう各部署から数名ずつ選出し、その中から適任だと思われるリーダーを決定します。そのリーダーを中心に、従業員の適性を見てチームを編成していく流れが一般的です。

 

プロジェクトチーム発足後は、メンバーが中心となって予算や今後の具体的なスケジュールを決めていきます。同時に移転先の選定も始め、移転元の旧オフィスの解約予約および原状回復の確認も済ませておきましょう。なお、原状回復の必要範囲に応じて、予算は大きく変わってくるため要注意です。また新オフィスの選定には、チームメンバーの見立てだけでなく、従業員の意見を取り入れると失敗が少ないでしょう。新オフィスの候補物件が見つかったら、移転のために必要な業者を探していきます。移転業者の探し方のポイントについては後述します。

 

【オフィス移転5カ月~4カ月前】

 

移転5カ月から4カ月前にやるべきことは、以下の通りです。

 

● 新オフィスのレイアウト決め

● 内装の決定・工事の手配

● 家具やOA機器の選定

● 各業者との打ち合わせ

 

選定した新オフィスを元に、次はレイアウトと内装を決めていきます。ここでも従業員の意見や旧オフィスの改善点などを取り入れつつ、目的に応じたデザインを考えてきます。従業員の快適性や業務効率向上が移転の目的なら、採光性や導線に重きを置くと良いでしょう。壁紙をやさしい色合いにしたり、植物を多く取り入れたりするのも一つの手段です。内装を含めたレイアウトはチームで考える他、専門業者に設計を依頼する方法もあります。

 

レイアウト・内装が決まったら、そこに配置する家具とOA機器も選定していきます。まず旧オフィスから持っていく物・廃棄する物を選別し、移転先で新調した方が良い物を洗い出しておくとスムーズです。移動させる荷物量・廃棄量・新調する度合いによってそれぞれ費用も変わってくるので、移転業者との打ち合わせを重ね、決定していきます。

 

【オフィス移転3カ月~2カ月前】

 

移転3カ月から2カ月前にやるべきことは、以下の通りです。

 

● クライアントや取引先への周知

● 社内への周知

● 書類や備品の住所変更

● 新オフィスの施主検査

 

新オフィスの体裁も整い、移転が確実になったら、クライアントや取引先など外部に移転の旨を記した挨拶状を送ります。移転を知らせるべき相手をリストアップし、移転の理由を添えてハガキやメール、電話などでお知らせしましょう。

 

従業員に向けてはマニュアルを作ったり、説明会を開いたりしつつ移転の旨を伝えましょう。伝える内容はクライアント・取引先と大きく変わりませんが、業務に直結するため、移転に伴うスケジュール変更や内装情報はより詳しく伝えておくとスムーズです。また忘れてはいけないのが書類や備品の住所変更です。書類には契約書や請求書など、クライアントや取引先に関係する物も多くあります。社判や封筒などの住所を変更する際は、届け先の住所変更も合わせて済ませおくと、郵送トラブルを防げるでしょう。

 

移転3カ月から2カ月前には、入居前の最終チェックとして新オフィスの施主検査も済ませておきます。施主検査とは、内装や設備が契約通りになっているかを確認する検査です。

 

【オフィス移転1カ月前~当日】

 

移転1カ月前から当日にやるべきことは、以下の通りです。

 

● 移転前の書類提出

● 搬入・搬出の立ち合い

● 旧オフィスの原状回復・引き渡し

● ホームページなどで移転完了の周知

 

移転前に提出が求められる書類と手続きの期限は、以下の通りです。

 

● 転居届:移転当日まで(※1)

● 防火対象物使用開始届出書:移転当日の7日前まで(※2)

● 防火対象物工事等計画届出書:内装工事着手の7日前まで(※3)

● 自動車保管場所証明書(社用車の車庫証明書):交付後1カ月以内(※4)

● 事業開始等申告書:各都道府県の税務署により異なる

 

移転当日は搬入・搬出に立ち会い、搬入後は荷物や設備に傷は付いていないか、移動させる荷物は数がそろっているかなどをチェックしましょう。搬入まで無事終わったら、旧オフィスの原状回復後に引き渡しをします。なお原状回復工事は1カ月程度が目安ですが、それ以上かかるケースもあるため事前に確認しておきましょう。

 

オフィス移転が一通り済んだら、クライアントや顧客に向け、ホームページやSNSを通じて移転完了のお知らせを出します。

 

※1参考:日本郵政.「転居・転送サービス」.“サービス内容”https://www.post.japanpost.jp/service/tenkyo/ ,(参照2024-09-09).

 

※2参考:東京消防庁.「安全・安心情報」.“新たにテナントを使用する皆様へ”https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/office_adv/tenants/index.html ,(参照2024-09-09).

 

※3参考:東京消防庁.「安全・安心情報」.“防火対象物の使用開始の届出をしよう”https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/office_adv/bouka/02.html ,(参照2024-09-09).

 

※4参考:警視庁.「保管場所証明申請手続(窓口申請)」.“注意事項”https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/tetsuzuki/kotsu/hokan/syako_tetsuzuki/jidousha_syomei.html ,(参照2024-09-09).

 

【オフィス移転後】

 

移転後にも以下の通り、やるべきことは残っています。

 

● 移転後の書類提出

● クレジットカードや銀行口座の情報更新

 

移転後に提出が求められる書類と手続きの期限は、以下の通りです。

 

● 適用事業所名称/所在地変更(訂正)届:移転後5日以内(※1)

● 労働保険名称、所在地等変更届:移転後10日以内(※2)

● 雇用保険事業主事業所各種変更届:移転後10日以内(※3)

● 本店・支店移転登記申請書:移転後2週間以内(※4)

● 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書:移転1カ月以内(※5)

● 異動届出書:移転後速やかに

 

移転後の書類提出を進めつつ、法人契約のクレジットカードや銀行口座の住所変更も忘れず行いましょう。

 

※1参考:日本年金機構.「適用事業所の名称・所在地を変更するとき(管轄外の場合)の手続き」.https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/jigyosho/20141205.html,(参照2024-09-09).

 

※2参考:東京ハローワーク.「適用事業所に関するQ&A」.“Q2 事業所の名称・所在地を変更した時の手続きは?”https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-hellowork/kakushu_jouhou/koyouhoken/koyouhoken/QA/tekiyoujigyousyo_qa.html,,(参照2024-09-09).

 

※3参考:法務局.「商業・法人登記の申請書様式」.https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html,(参照2024-09-09).

 

※4参考:国税庁.「A2-7 給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出」.https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_11.htm ,(参照2024-09-09).

 

オフィス移転のスケジュールを立てるときのポイント

 

オフィス移転には多くの作業や手続きが必要となるため、スケジュールの立て方次第ではスムーズに進行しない場合があります。そこで次に、オフィス移転のスケジュールを立てるときに意識したいポイント・注意点を3つチェックしていきましょう。

 

余裕のあるスケジュール設定

 

移転の計画を立てるときにまず意識したいのが、余裕を持ったスケジュールを設定することです。前述の通りオフィス移転にかかる期間は、6カ月程度であることが一般的です。長期のプロジェクトを進行する中で、予期せぬ計画変更やトラブルなどで予定がずれることも珍しくありません。タイトなスケジュールにしてしまうと、途中で挽回することは難しく、最後まで予定がずれ込んだままになってしまうかもしれません。スケジュールにゆとりを持たせておけば、多少のずれであれば帳尻を合わせられるでしょう。

 

具体的なチェックリスト作成

 

オフィス移転前にチェックリストを作成しておくことも、スケジュールを立てる上で重要なポイントの一つです。先述の通り、長期にわたる作業量の多いプロジェクトでは、「どこまで進めたか?」「これはすでに終えたか?」、「次は何をやるべき?」などといった状況の混濁が起こりやすくなります。

 

そこでオフィス移転に向けてやるべきことを具体的に洗い出し、チェックリスト化しておけば、後はその内容に沿って進めていくだけです。一目で誰がどこまでやったかの進行具合が分かるため、チームで進行していくプロジェクト全体に向いています。

 

各種手続きの期限に注意

 

オフィス移転のためのスケジュールを立てるときは、各種手続きの期限にも気を配らなければなりません。チェックリストの中には多少遅れても支障がないタスクもあれば、期日どおりの進行が求められるものもあります。

 

期日を守らなければならないのが、税務署や法務局といった各種公的機関への届出です。これらの手続きは、それぞれに提出・申請期限が設けられています。移転前・移転後〇日以内に提出といった情報をしっかり把握しておきましょう。

 

オフィス移転業者の選び方

 

スケジュール通りに移転を進めるためには、業者選びも鍵となります。最後に、オフィス移転業者を選ぶ上で注目したいポイントを3つ紹介します。

 

実績の多さ

 

移転業者を選ぶときに、まず注目したいのが実績数です。実績の数は、顧客にどれだけ信頼されているかの指標となります。オフィス移転は一般的な引っ越しとは違うため、同じようなケースの実績数に注目してみてください。加えて、実際に利用した方からの口コミや評価をチェックしておくと失敗が少ないでしょう。

 

専門性

 

何を強みにしているのかといった専門性も、オフィス移転業者を選ぶ上では見逃せないポイントです。業者の専門性と移転の目的・理由が合致していないと、希望通りの結果にならないかもしれません。例えば、業務の効率性や導線を重視する企業が、デザイン力を強みとする業者に依頼しても思うような結果にはならないでしょう。企業側の理想にマッチする専門性を持つ業者に依頼するのがおすすめです。

 

対応範囲・サポート体制

 

多くの作業を伴うオフィス移転で、大きなポイントとなるのが対応範囲の広さです。内装工事だけ、OA機器設置だけといった特定の部分に対応する業者もいれば、レイアウト設計からアフターフォローまでワンストップで対応する業者もいます。

 

そこまで大規模な移転でない・自社でまかなえる部分がある場合は前者でも問題ありませんが、大規模な移転で自社の人材だけでは作業量が十分確保できない場合は、トータルで任せられる業者を選ぶのがおすすめです。アフターフォローまで対応してもらえる業者に依頼すれば、移転後の思わぬトラブルが発生した際もサポートしてもらえるでしょう。

 

オフィス移転は計画的に!信頼できる業者に依頼しよう!

 

オフィスの規模にもよりますが、オフィス移転には、6カ月程度の期間が要するので計画的に準備を進めることが必要です。オフィス移転の目的が定まったら、プロジェクトチームを立ち上げ、予算やスケジュールを定め、信頼できる業者選びを進めましょう。

 

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