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2025.5.30
不動産豆知識
安藤

初期費用を抑えられるセットアップオフィスとは? メリットや注意点、選び方のポイントを解説

新しくオフィスを開設する際に、初期費用がネックになる場合は少なくありません。そのような場合におすすめなのが、内装工事が完了した状態で貸し出されているセットアップオフィスです。

 

本記事ではオフィス開設にお悩みの企業の方のために、セットアップオフィスの基本情報やメリット、注意点、選び方のポイントなどを解説します。

 

オフィス開設時の初期費用は大きな課題

 

オフィスの新設や移転は、企業の成長に欠かせないものですが、その際に大きな課題となるのが初期費用です。

 

一般的にオフィスを開設する際、初期費用として以下の費用が発生します。

 

● 前家賃

● 保証金

● 敷金・礼金

● 仲介手数料

● 内装工事費

● 通信・電気・ガス・水道設備費

● 外装工事費

● オフィス家具・設備・備品費

● 火災保険

● 引っ越し費用

● 広告宣伝費

 

開設にかかる初期費用の相場は、オフィスの規模や内装・外装・設備へのこだわりなどによっても変わってきますが、一般的に坪単価20万~60万円かかるとされています。例えば、30坪のオフィスを開設する場合、初期費用の目安は600万~1800万円です。

 

オフィスは企業の拠点となる場所で、ブランディング力や信頼性を高めるためにも、また従業員のモチベーションを維持するためにも必要不可欠です。しかし、資金が十分にない場合、初期費用の高さがネックになって、なかなかオフィスが決められない企業もあるでしょう。

 

初期費用を抑えたいならセットアップオフィスがおすすめ

 

オフィス開設に当たって、費用面が課題となっている企業におすすめなのがセットアップオフィスです。ここからは、セットアップオフィスの特徴について、詳しくみていきましょう。

 

そもそもセットアップオフィスとは?


セットアップオフィスとは、内装工事まで完了している状態の賃貸オフィスのことです。

 

一般的な賃貸オフィスの場合、借主がレイアウトや内装を考え、内装工事を行います。しかし、セットアップオフィスの場合、貸主が内装工事まで済ませた状態で貸しに出されるため、内装工事にかかる初期費用を抑えられます。一部のセットアップオフィスには、デスクや椅子といったオフィス家具も備え付けられており、さらに費用を軽減可能です。

 

セットアップオフィスの物件数は増加傾向

 

コロナ禍の影響によるリモートワークの普及によって、オフィスのあり方を見直す企業が増えました。出社しない社員が増えたことにより、オフィスのコスト削減に舵を切った企業も少なくありません。

 

そのような状況で注目を集めるようになったのが、セットアップオフィスです。レイアウトや内装の設計・工事を自社で行う必要がないセットアップオフィスは、中小企業やスタートアップ企業、ベンチャー企業を中心にニーズが高まっています。

 

セットアップオフィスに参入するデベロッパーも増えており、都市部を中心に物件数は増加傾向にあります。現在トレンドとなりつつあるセットアップオフィスが、今後はオフィスタイプのスタンダードとなっていく可能性もあるでしょう。

 

セットアップオフィスの5つのメリット

 

ここからは、セットアップオフィスに入居する5つのメリットをみていきましょう。

 

1. 初期費用や退去時の費用を軽減できる

 

前述した通り、セットアップオフィスに入居すると、初期費用を大きく抑えられます。特に、内装工事費用やオフィス家具にかかる費用を抑えられることが大きな特徴です。

 

また、物件によっても異なりますが、一般的に通常の賃貸オフィスの敷金が賃料の12カ月分であるのに対し、セットアップオフィスは賃料の6カ月分程度に設定されている物件も多くあります。オフィス開設時にかかるさまざまな初期費用を抑えられるため、経済的な負担を軽減してオフィスを開設できるでしょう。

 

2. 退去時の費用も抑えられる

 

セットアップオフィスは、退去時の費用も抑えられる可能性が高いです。

 

基本的にセットアップオフィスは、退去時の原状回復工事を行う必要がありません。通常のオフィスでは、退去時に原状回復が求められ、その費用がかかるだけでなく、工事期間中は新旧どちらの物件にも賃料を支払うケースもあります。その点、セットアップオフィスなら退去時の費用を抑えられるので、負担を軽減してオフィス移転ができるでしょう。

 

ただし、契約によっては原状回復工事が必要なセットアップオフィスもあるため、契約内容をよく確認してください。

 

3. 短期間でオフィスを開設できる

 

短期間でオフィスを開設できることも、セットアップオフィスのメリットです。

 

一般的な賃貸オフィスの場合、レイアウトや内装の打ち合わせから工事完了まで、6カ月程度かかることもあります。

 

一方、既に内装工事が済んでいるセットアップオフィスは、何も手を加えなくても、すぐに入居できる状態になっています。引っ越し作業やパソコンなどの接続作業、インターネット回線工事さえ完了すれば、すぐに入居して業務を開始することが可能です。契約がスムーズにいけば、1〜4週間でオフィスを開設できるケースもあります。

 

4. オフィス開設にかかる手間・時間を抑えられる

 

オフィス開設にかかる手間や時間を大幅に削減できることも、セットアップオフィスのメリットです。

 

オフィス開設のためのレイアウトや内装の打ち合わせや工事のためには、手間も時間もかかります。既に内装工事が完了しているセットアップオフィスであれば、打ち合わせや工事にかかる手間や時間を軽減できるので、担当者の負担を軽減でき、業務に支障が出るのを避けられます。

 

5. デザイン性に優れた物件が多い

 

デザイン性に優れた物件が多いことも、セットアップオフィスのメリットです。

 

セットアップオフィスはデザイン性が高く、洗練された内装の物件が多いです。おしゃれなオフィスを開設すれば、従業員のモチベーションがアップするため、生産性向上も期待できます。

 

また求職者へのアピールにもなるので、人材採用でも有利に働く可能性が高いでしょう。

 

セットアップオフィスの4つの注意点・デメリット

 

セットアップオフィスには注意点やデメリットもあります。入居してから後悔しないように、注意点・デメリットも把握しておきましょう。

 

1. 物件数が限られる

 

セットアップオフィスは通常の賃貸オフィスと比べて、物件数が限られることに注意が必要です。

 

前述した通り、セットアップオフィス市場は拡大傾向にありますが、賃貸オフィスの総数から考えると、まだまだ物件数は少ないです。エリアにもよりますが、セットアップオフィスを探しても、希望する条件の物件が見つけられない場合があります。

 

特に100坪以上の大規模なセットアップオフィスは数が限られるため、大規模なセットアップオフィスの開設を考えている方は、物件探しが難航する可能性があるでしょう。

 

2. 賃料が高額な傾向にある

 

セットアップオフィスのデメリットとして、賃料が高額な傾向にあることが挙げられます。

 

セットアップオフィスの賃料には、内装工事費やオフィス家具費が上乗せされているためです。物件にもよりますが、同一エリアの賃貸オフィスの賃料相場の1.5〜1.7倍の賃料で貸し出されている物件もあるようです。

 

3. 自社のイメージに合った内装にできない

 

自社のイメージに合った内装にできないことも、セットアップオフィスのデメリットです。

 

セットアップオフィスには、追加工事不可となっている物件が多いです。入居後に、自社のイメージに合う内装にしようとしても、自由に変更ができないため、後々不満が生じる恐れもあります。

 

ただし、インテリアなどを工夫すれば、追加工事なしでも、ある程度自社のイメージに合うオフィスに仕上げることは可能です。

 

4. 長期間借りると割高になる

 

セットアップオフィスへの入居を考えているのなら、長期間借りると割高になることを理解しておきましょう。

 

前述した通り、セットアップオフィスは、一般的な賃貸オフィスよりも賃料が高額な傾向にあります。そのため長期間借りると、一般的な賃料オフィスに入居し、内装工事を行った場合よりも、割高になる可能性が高いです。

 

内装工事費と賃料のバランスにもよりますが、通常3~5年借りると、割高になる傾向にあるといわれています。今後数年のうちにオフィス移転を考えていない場合は、注意が必要です。

 

セットアップオフィスはどのような企業におすすめ?

 

これまで紹介したメリット・デメリットを踏まえると、セットアップオフィスがおすすめの企業の特徴は、以下の通りです。

 

● オフィス開設の初期費用を抑えたい企業

● 中小規模のスタートアップ企業・ベンチャー企業

● 数年でオフィスの再移転を検討している企業

● すぐにオフィスを構えたい企業

● 短期的での事業拡大を目指している企業

● シェアオフィス・サービスオフィスなどからの移転を考えている企業

● 30~50坪の比較的小規模なオフィスを探している企業

 

失敗しないセットアップオフィス選びの3つのポイント

 

最後にセットアップオフィスを選ぶ際に抑えておきたいポイントを解説します。

 

1. 立地

 

セットアップオフィス選びをする際は、オフィス開設の目的に合った立地かどうかを確かめましょう。

 

特にブランディング向上を目的としている場合、オフィスを構えるエリアは重要です。また従業員の利便性を高めてモチベーションをアップさせたいなら、駅からのアクセスが良好かどうかも確認しましょう。

 

2. 機能性

 

機能性を確認することも、セットアップオフィス選びにおいて重要なポイントです。

 

セットアップオフィスは、原則入居後の追加工事ができません。例えば、会議室が十分にない物件を選んでしまうと、業務に支障が出る可能性があります。オフィスにどのような機能を求めるかをしっかり検討し、条件を満たすかどうかをしっかりと確認しましょう。併せて、十分な座席数が確保できるのかも確認が必要です。

 

3. セキュリティの高さ

 

セットアップオフィス選びをする際は、セキュリティの高さも重要な要素になります。

 

一口にセットアップオフィスといっても、セキュリティレベルは物件によって大きく異なります。特に占有スペース内に来客専用のスペースが確保できないなど、共有スペースの利用が多くなることが見込まれる場合は、セキュリティが確保できる構造になっているかを確かめましょう。

 

【まとめ】

セットアップオフィスを賢く活用し、効率的なオフィス戦略を

 

オフィスを構える上で初期費用がネックになっているなら、セットアップオフィスという選択肢も視野に入れて、物件探しを進めてみてはいかがでしょうか。注意点やデメリットを踏まえた上で、セットアップオフィスへの入居を検討し、効率的なオフィス戦略を立てましょう。

 

「オフィス賃貸の総合窓口」では、東京・関西エリアのセットアップオフィスを含むさまざまなタイプの賃貸オフィス物件を取り扱っています。ご希望に合わせて適切な物件をご提案しますので、オフィス選びにお困りの方は、お気軽にご相談ください。

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