オフィスや事務所の開設や移転にあたって「コストを抑えて必要なスペースを確保したい」と考える方は多いのではないでしょうか。そのような方におすすめなのが、前のテナントのレイアウトや内装、オフィス家具、設備などをそのまま引き継げる居抜きオフィスです。 本記事では、居抜きオフィスの特徴やメリット・デメリット、適している企業、失敗しない居抜きオフィス選びのポイントを解説します。自社に合うオフィス・事務所選びにお悩みの方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。 開設・移転の費用を節約! 居抜きオフィス(事務所)とは? 居抜きオフィス(事務所)とは、前テナントのレイアウトや内装、オフィス家具、設備などをそのまま引き継いだ状態のオフィスのことです。賃貸で借りられる居抜きオフィスだけでなく、売買されている物件もあります。 通常の賃貸オフィスでは、前テナントが間取り・内装工事などを行った場合、原状回復工事をして入居時の状態に戻し、設置したオフィス家具や設備も撤去しなければなりません。しかし、居抜きオフィスの場合、原状回復が行われないまま貸し出されるため、そのままの状態を引き継いでオフィスや事務所を借りられます。 そのため、居抜きオフィスを借りれば、開設や移転の際の初期費用を大幅に抑えることが可能です。 前テナントが借りていた状態のままでは、使い勝手が悪いのではないかと考える方もいるかもしれません。しかし、一般的に50坪程度までの中小規模のオフィス・事務所であれば、どのような企業が入っていても、レイアウトはそれほど変わらないケースが多いです。時間をかけて物件を探せば、使い勝手の良い居抜きオフィスが見つかることもあるでしょう。 居抜きオフィス(事務所)と他のオフィスタイプの違い オフィス移転を検討する際は、居抜きオフィスだけでなく、さまざまなオフィスタイプの特徴を把握し、自社の目的やニーズに合った物件を選ぶことが大切です。特徴を比較できるように、一覧でご紹介します。居抜きオフィスのメリット 居抜きオフィス(事務所)に入居すると、どのようなメリットが得られるのでしょうか。4つのメリットをご紹介します。 初期費用が削減できる 居抜きオフィスのメリットは、初期費用が削減できることです。 オフィスや事務所の開設・移転には、高額な初期費用がかかります。特に近年は、資材価格の高騰に伴い、内装工事費も値上がりしているため、初期費用の中でも内装工事費が高くなるケースが多いです。 居抜き物件の場合、前テナントの内装を引き継いで借りられるため、内装工事費を大幅に抑えられます。オフィス家具・設備もそのままの状態なので、購入費用も削減できるでしょう。 オフィス開設・移転の手間・時間を軽減できる オフィス開設・移転にかかる手間・時間を抑えられることも、居抜きオフィスのメリットの一つです。 一般的な賃貸オフィスであるスケルトンオフィスの場合、間取りやレイアウト、内装の打ち合わせから、購入するオフィス家具・設備の検討・手配、工事の実施などを行う必要があります。担当者はこれらの対応を全て行わなくてはならないため、手間も時間もかかるでしょう。 内装工事をする必要がなく、オフィス家具・設備もそろっている居抜きオフィスなら、前述したような対応にかかる手間も時間も軽減できます。回線工事などは必要ですが、負担を大きく軽減してオフィスの開設・移転ができるでしょう。入居までの期間も短縮できるため、できるだけ早くオフィスを構えたい方にもおすすめです。 コストパフォーマンスが高い傾向にある 居抜きオフィスは、同じように内装工事が済んでいるセットアップオフィスよりも、コストパフォーマンスが高い傾向にあります。 前述した通り、セットアップオフィスとは、内装工事が完了した状態で貸し出されているオフィスのことです。一部の物件にはオフィス家具や設備も付いており、居抜きオフィスと同様に初期費用が抑えられます。しかし、セットアップオフィスは内装工事費やオフィス家具費などが貸主負担となり、賃料に上乗せされるため、月々の負担が大きくなりやすいという特徴があります。 その点、居抜きオフィスは、前テナントのレイアウトや内装、オフィス家具・設備を引き継いでいるだけなので、貸主には負担がありません。そのため、賃料はスケルトンオフィスの相場程度に抑えられる傾向があります。 退去時にコストが抑えられる可能性がある 退去時にコストが軽減できる可能性があることも、居抜きオフィスのメリットです。 原状回復工事を行わずに貸し出されている居抜きオフィスは、契約を終了して退去する際も、原状回復工事が求められないケースも多いです。原状回復工事やオフィス家具・設備の処分にかかる費用を抑えられれば、退去時の負担を軽減できるでしょう。 ただし、原状回復が必要かは契約によって異なるため、契約前に内容をしっかりと確認するようことが大切です。 居抜きオフィスを借りるデメリット 居抜きオフィス(事務所)には、いくつかデメリットがあります。入居してから後悔しないために、デメリットも理解しておきましょう。 物件探しに時間がかかる可能性がある 居抜きオフィスのデメリットの一つは、物件探しに時間がかかる可能性があることです。 居抜きオフィスはスケルトンオフィスと比べると、物件数が少ないです。また、前テナントのレイアウトや内装をそのまま引き継いでいるため、使い勝手が良く、かつ自社のイメージに合う物件を見つけようとすると、なかなか適した物件が見つけられない場合があるでしょう。 部分的な工事を行うことも可能ですが、構造上の制限もあるため「一部の壁だけ撤去したい」といった工事は難しいことが多いです。また、工事をすることで、初期費用を抑えられるという居抜きオフィスのメリットが薄れてしまいます。 ただし、前述した通り、中小規模のオフィスなら、どの企業でも求めるレイアウトはそれほど変わらないことが多いです。自社の業種や規模、働き方などを考えて、どのようなオフィスが望ましいのか条件をリストアップし、物件探しを行いましょう。 オフィス家具や設備の買い換えが必要になることがある オフィス家具や設備の買い換えが必要になる場合があることも、居抜きオフィスのデメリットです。 前テナントが使用していたオフィス家具・設備が老朽化していると、せっかく居抜き物件に入居しても、オフィス家具・設備を買い換えなければなりません。処分が必要となる場合、処分にも費用がかかります。特に耐用年数を超えた設備の場合、事故につながる恐れもあるため、注意が必要です。 想定外のコストが発生するのを避けるために、内覧時にはオフィス家具・設備の状態をしっかり確認しましょう。買い換えが必要な場合、リースを選択すれば、コストを圧縮できる可能性があります。 居抜きオフィスが向いている企業 居抜きオフィス(事務所)がおすすめの企業の特徴は、以下の通りです。 ● コストを抑えたオフィス開設・移転をしたい企業● 短期間でオフィス・事務所を構えたい企業● オフィスレイアウトや内装へのこだわりが強くない企業● 持続可能な社会への取り組みを行いたい企業 居抜きオフィス選びで失敗しないためのポイント 最後に居抜きオフィス(事務所)選びで失敗しないために押さえておくべき3つのポイントを解説します。 レイアウト 居抜きオフィスへの入居を検討しているのなら、レイアウトをしっかりと確認しましょう。 使い勝手の悪いレイアウトの物件に入居してしまうと、業務効率が悪くなることもあります。業者にレイアウトの図面を依頼し、問題なく業務が行えるかどうか、導線に問題がないかをチェックしましょう。 加えて、自社の規模や従業員数に合った面積かどうかも、しっかりと検討することが大切です。 内装・オフィス家具・設備の状態 内装・オフィス家具・設備の状態も、失敗しない居抜きオフィス選びのポイントです。 内装やオフィス家具、設備が老朽化していると、修理や買い換え、処分にコストがかかります。また、前テナントがオフィス家具や設備をリースしている場合も注意が必要です。リースの場合、そのままリース契約を引き継ぐか、解約して買い換え・借り換えを行わなければなりません。 契約内容 契約内容も、居抜きオフィス選びをする際に確認しておかなければならないポイントです。 例えば、オフィスの原状回復が必要かどうかは物件によって異なります。退去時にトラブルにならないように、契約内容をしっかりと確認しましょう。 また、入居時にオフィス内が汚れていたり、ごみなどが残されていたりすると、クリーニングや処分に費用が発生します。それらの費用を誰が負担するかを明確にしていないと、トラブルにつながってしまう可能性が高いです。 契約後にトラブルが発生しないよう、その他の項目を含めて、しっかりと確認しておきましょう。 【まとめ】メリット・デメリットを理解して自社に合ったオフィス選びを! 居抜き物件はオフィスや事務所の開設・移転にかかる初期費用を大幅に削減でき、手間や時間も軽減できます。ただし、解説したようにデメリットもあるため、入居を検討する際は、デメリットも理解しておくことが大切です。メリット・デメリットを踏まえて、自社に合っている物件かどうかを見極めるようにしましょう。 オフィス賃貸の総合窓口として、東京・関西エリアの賃貸オフィス・事務所の物件情報を多数掲載しています。入居後のアフターフォローも徹底しているため、賃貸オフィス・事務所物件をお探しの方は、お気軽にご相談ください。